ナチュラルアスカの家

「高台に建つ完全二世帯住宅、白亜の家」

DATA

【家族構成】
(親世帯)大人2人+(子世帯)大人2人+子供2人

【建築Data】
1階床面積:106.41㎡(32.12坪)
2階床面積:39.75㎡(12.00坪)
延べ床面積:146.16㎡(44.12坪)

STORY

高台に建つ完全二世帯住宅、白亜の家

オーナー様との出会いはかれこれ10年ぐらい前でしょうか?
今回は二世帯住宅というご希望でしたが、10年程前はご両親の土地に単独の世帯で建てたいというご希望でした。
ただ、土地の性質が調整区域ということで法律上なかなか思い通りの希望が叶わず、一度は諦めた計画でした。

こちらのオーナー様とはいろいろなご縁があり、近くに従兄弟の方の家を当社で建てさせていただいておりました。

そんな中ご連絡をくださり、今回母屋であるご両親の家を解体し新たに二世帯住宅として建て替えたいというご相談をいただきました。

母屋を解体して建て替えれば法律上の問題もクリアできるので計画を進めていくこととなりました。

オーナー様の希望は完全二世帯住宅。

玄関、キッチン、LD、浴室などを完全にご両親と別にしたいというご希望です。
私も自分の家を完全二世帯にしましたが、私の場合、妻がフルタイムでの仕事だったので両親との生活時間帯が合わなかったためでした。オーナー様奥様もお仕事をされているということでしたので同じような理由だったのでしょう。

打ち合わせの中で、ご両親は平屋に、ご夫婦はお子様がお二人いらっしゃるということで二階屋にしました。
10年前にいらっしゃった時と同様、内装には無垢の床と漆喰をご希望されました。

じっくり時間を掛け、ご納得いただけるプランニングを完成させ着工となりました。

子世帯のリビング・ダイニングです。
床は無垢のアカシア材。壁はホワイトの漆喰仕上げです。
建具類はオーナー様のご希望で、デザインを気に入られたリクシルのヴィンティア。
名前の通り少しビンテージ感のある建具です。

シックなホワイト基調の内装が特徴です。
手前がリビング、奥がダイニングからキッチンへ繋がっていきます。

キッチンの横は1畳程のパントリー。その奥は洗面所とお風呂です。

リビング・ダイニングを別の角度から見たところです。

キッチンから奥の洗面脱衣室に向かう動線があります。
右に行けばパントリーです。パントリーからは勝手口につながり家庭ゴミなどを最短で出せるようになっています。

ダイニングテーブル横のカウンターは、ここでオーナー様がパソコン作業などができるように設置しました。
棚の一番下はWi-Fiのモデムなどを置く場所になっています。
この場所なら邪魔になることもありません。

パソコンをするときはダイニング用の椅子をクルッと回して作業をします。
その他の棚は、関連する本などを置く予定です。

キッチンからリビング・ダイニングを見てみました。
南に面しているのでとても明るい日差しが入ってきています。

奥様がキッチン作業中でも全体が見渡せるようにとのご希望でした。
お子様はもう高校生と中学生と大きいので目が離せないということではありませんが、やはり、キッチンから主要なお部屋が見渡せるというのは気持ちがいいものだとおっしゃっていました。
ここからだとお部屋を飛び越し、お庭での作業なども覗けますね。

先程触れた、ダイニングテーブル横のパソコンの作業台を兼用した棚です。

よく見るとパソコンやモデムなどのコンセントが見えると思います。
カウンター下のコンセントはプリンター用です。

外部からの電話線と棚上のモデムを繋ぐように壁内に配管を通してあります。

作業用の照明器具も設置しているので手元も明るく照らしながら作業が出来ます。

キッチンからパントリーと勝手口を見ています。

左の壁面には奥様ご希望のメトロタイルを貼りました。

メトロとは地下鉄のこと。
雰囲気から言えば、東京メトロというよりはアメリカニューヨークのメトロのイメージでしょうか?
このキッチンは明るいですが、暗い雰囲気であればジャズでも聞こえそうというのは、イメージを膨らませすぎですかね?

キッチンすぐ脇の洗面脱衣室の扉と、パントリーからの勝手口が見えています。
洗面脱衣室の扉は内部に湿気がこもらないようにルーバー式を採用。

すぐ横にリモコン類をまとめたニッチを作りました。

ここには給湯器リモコン、インターホン、照明スイッチが設置されています。

壁の中に引っ込ませて収納したのは、人がすれ違う時に邪魔にならないということもありますが、まとめておけば、デザイン的にスッキリしますし、10cm程の奥行きがあるため鍵など小さいものも掛けて収納できます。

パントリーの中です。

収納用の棚は可動式になっていて、置くものによって高さや位置を変える事ができます。

キッチンのすぐ横なので行き来しやすく、収納量もそこそこあるので便利に使っていただけると思います。(正面側にも同じ棚があります。)

そしてこの横に勝手口があるので、家庭ゴミなどの一時置き場にもなります。
勝手口の扉も換気ができるタイプなので、ここを少し開ければ、リビング・ダイニングまで全体の換気が出来ます。

パントリーからキッチンを見ています。

奥には玄関に続くドアがあります。
家事動線としてはお買い物で買ってきたものを玄関からこちらのキッチンへと直接運びます。
リビング・ダイニングを通らず一直線に来れるので運び入れしやすいと思います。

この家の子世帯は全体的にそうしたのですが、メイン照明をダウンライトにしています。
キッチンの手元灯もダウンライトでスッキリさせていますし、光量的にも作業しやすい明るさになりました。

キッチン横の給湯器リモコン、インターホン、スイッチを一つにまとめたニッチです。

棚の部分には何かかわいい小物を置いてもいいかな?と思います。

トイレの中です。

キッチンの壁にも採用されていたメトロタイルの種類の違うものを貼りました。
表面がツルツルしているので、汚れてもお掃除がしやすいと思います。

小さいですが、下が収納になっているトイレ用手洗いを付けました。
タオル掛けも付いていてコンパクトですが日常的に使いやすいと思います。

2階の子ども部屋です。

南向きでとても日当たりが良いです。

この写真では小さい子の遊び部屋のような小物が置いてありますが、実際のオーナー様のお子様は中高生なのでここは主に勉強部屋になります。

バルコニーもひらけていて広めに取ってあるので、ご家族のお洗濯物や布団などはご家族分しっかり干せます。
この写真には写っていませんが、物干し竿を支える物干し金物を取り付けました。

2階の寝室です。

奥のほうがオープン式のウォークインクローゼットになっています。
このお部屋も無垢のアカシア材の床と漆喰塗りの壁になっています。

漆喰はお部屋の調湿効果や消臭機能も持っています。
当社の場合、外壁や2階の屋根にセルロースファイバーという古新聞をチップとした断熱材を充填していますが、この断熱材にも調湿効果があるので漆喰と相性が良いです。

ドアの前、天井部分に室内干し用の洗濯金物を取り付け。
ここに洗濯物も干すので、お部屋の湿気対策は大事ですね。

寝室奥のオープン式のウォークインクローゼットの中です。

奥に見える背の低い白いドアは屋根裏部屋に続くドアです。

当社の場合ウォークインクローゼット内のレイアウトはオーナー様との打ち合わせによって決めていきます。
収納したいものに合わせ、こちらのオーナー様は主に服をたくさん掛けるためにハンガーパイプを付けました。
両側なのでご主人様、奥様のかなりの量の服を掛けることが出来ると思います。

レイアウトの例としてはこの部分に可動式の棚などを作る場合もあるのですが、今回は奥の屋根裏部屋にその収納場所を確保しているので、ウォークインクローゼット内の棚等は無しとしました。

ウォークインクローゼットから屋根裏に入りました。

ここの内装仕上げは化粧ベニアのシナベニヤの壁、床は木に見えますがクッションフロアです。
天井の高さは1m40㎝と法律上あくまでも部屋として認識されない寸法です。
天井を通常の高さにして部屋として認識されると、固定資産税や構造・法律上の制限なども出てきます。

床をクッションフロアにしたのは物を収納するにあたり、引きずったり、積み上げやすくするためです。

工夫次第でかなりの収納量が見込めると思います。
一箇所あると便利ですね。

それでは続いて親世帯スペースに移ります。

1階親世帯のダイニング・キッチンです。
子世帯同様、床はアカシアの無垢材、壁は漆喰になります。

奥の扉はトイレ、洗面脱衣室、お風呂に繋がる廊下と、洋室に繋がる廊下になっています。

ご両親がこれまで住まわれていた家も平屋だったので動線的には短くなり問題ないと思いますが広さが以前よりかなり狭くなったので、荷物の整理が大変だったのではないかと思います。

ダイニング・キッチンからリビングを見ています。

南に向いているので明るさはかなり取れています。
南面の窓と北面の窓を同時に開けると、風が一直線に通り抜け一気に換気でき、清々しさも感じられます。

先程書いた、トイレ、洗面脱衣室へ向かう水回りへの廊下や洋室へ向かうドア以外に玄関に向かうドアも見えています。

洋室はオーナー様の妹さんが泊まりに来た時に使用されるそうです。
この洋室は子世帯への連絡通路にもなっています。

ご両親の寝室です。

先程書いたように南面に面しているので、日当たりはとてもいいです。

ただ、あまりに日当たりがいいと夏の暑い日差しが入りすぎてしまうので、ここで一工夫しています。
後程、外観写真でご覧いただけますが、南面の屋根の庇を通常より長めに出しています。

そうすることによって、夏は上からの強い日差しを防ぎ、反対に冬は暖かい日差しを入れる工夫をしました。

朝のやさしい日差しを浴びながら目覚めるのはなんとも気持ちよさそうですね。

ご両親の寝室を南側から見たところです。

お住まいの平屋の家からのお引越しに伴い、かなりの量の荷物を整理されたと思います。

この家ではウォークインクローゼットと兼用の納戸を寝室に作り、収納場所にしました。
広さの成約はありますが、寝室と近いということでは便利さもあると思います。

親世帯・子世帯両方の玄関の位置関係です。

近いと言えば近い、そうでないといえば、そうかな?という距離感だとオーナー様はおっしゃっていました。
玄関のドアのデザインを同じにしたことを考えるとなかなか仲がいい親子なのかなと思います。

外観を正面から見ました。

外観のデザインに関してはオーナー様ご希望のシンプルなデザインですが、屋根は洋瓦なので真っ白な壁の感じと合わせると、南欧風ギリシャの「サントリーニ島」、白亜の壁の家のようなイメージをしていたのかもしれません。
白亜の外壁が青い空によく生えています。

1階平屋の部分の屋根には太陽光発電パネルが載っています。
当初の計画では無かったのですが、国のグリーン化事業「ゼロエネルギー住宅」として補助金が出るため計画の中に入れました。

当社の高気密・高断熱の家では省エネ効果は高いと思います。

外観を横から見た所です。

冬の暖かい日差しをお部屋の中奥まで招き入れ、夏の厳しい日差しをシャットダウンするための奥行きの長い、屋根の庇がよく分かると思います。

もともと、富士市大渕の高台上の土地なので、1階でも景色のロケーションは最高です。
昼間は駿河湾の海まで見渡すことが出来、夜は夜景を楽しむことが出来ます。

この家までは坂を登ってきます。
ある場所へ来ると急に視界がひらけ、この家が正面に見えてきます。
青い空に白亜の外壁は本当に印象的で美しくカッコいいです。