ナチュラルアスカの家

「浅間大社が見守る家」

DATA

【家族構成】
大人2人 子供1人
【建築Data】
1階床面積:69.15㎡(20.87坪)
2階床面積:57.97㎡(17.5坪)
延べ床面積:127.12㎡(38.37坪

STORY

「浅間大社が見守る家」

 

このオーナー様との出会いは、当社が2009年にお引き渡しを完了している当社のオーナー様とお知り合いだったことから始まります。
家のプランニングのポイントはご夫婦と、ご主人様のお母様、お祖父様の同居になります。
二世帯住宅というよりは単世帯住宅にお母様とお祖父様の別部屋があるイメージです。
まずは土地探しから始めました。
ご主人様が富士宮市市街勤務であり、できれば車を使わず、なるべく仕事場へは徒歩で通いたいとの事。
実際今の通勤スタイルがその為、このまま変えずにとのご希望でした。
ただ、富士宮市街地に近い土地となると当然土地代は高額になります。
将来の事を考えるとあまり土地代にかかり過ぎるとローン負担も増えてしまうので、希望はあってもその部分は最優先ではないとおっしゃっていました。
土地情報はネットを始め新聞折込チラシ、不動産屋さんへの聞き込みなどあらゆる媒体で探します。
当社は不動産免許は持っていますが、専門ではないので数ある媒体の中から探していきます。
そしてオーナー様にも「もしチラシやネットで気になる土地があったらお知らせください。」とお願いしています。
その情報を元に、当社が実際の土地を調査しに行く、という探し方がオーナー様にとって希望に沿った土地が見つかる確率が高くなります。
当然、オーナー様ご自身で選べばこれは良い、これは違うかなーなどの判断が早い段階でしやすいです。それを当社がプロの目線で実際に家を建てるにあたり問題ないかを判断するやり方です。
こちらのオーナー様の土地探しではほぼ理想の叶った土地が見つかりました。
富士宮市の市街地も市街地、富士宮浅間神社の真隣しかもかなりお値打ちに見つかったのです。
お値打ちの理由は前面道路が狭かったからです。狭いといっても車1台分が通る幅はあります。
ただ、例え前面道路が現状で狭くても将来はセットバックでという方法で、近隣の家が建替えていけば法律上道は広がっていきます。
このご家族にはまだ小さなお子様がいらっしゃるので、お子様が大きくなる頃には道は広がっているかもしれません。
それに先程お話したように、通勤に車を使われないご主人様にとっては道の広さはあまり気にならない事案のようでした。
土地探しは難しくなかなか理想的な土地が見つからないというのが当社のお客様の中でもよく聞きます。
ただ、土地への価値観は人それぞれなので、自分はどこを優先させるのか?
例えば、広さなのか?立地なのか?ご主人の通勤なのか?子供の通学なのか?お買い物など生活利便なのか?実家に近い場所なのか?・・・
ご自身達が住みたい場所に優先順位をつけて探したほうが見つかりやすいと思います。

家のご紹介に参りましょう。

玄関のホールのドアを開けると広いリビングダイニングになります。

オーナー様とプランニングの打ち合わせの際、ご兄弟ファミリーがよく遊びに来るというお話だったのでリビングダイニングを広めにとりました。

反対から見たところです。
丁度テレビ台が置かれている場所の窓は道路に面しているので、外からの視線を意識して高めにそして小さめに設定しました。
換気を行えるよう横滑り出しという種類の窓を付けました。

このお部屋の素材は天井と壁がホワイトの漆喰、床はパイン材という北欧系の無垢材です。
この素材は当初よりオーナー様奥様のご希望でした。

漆喰とは石灰の仲間で、文字どうり石灰岩を加工して作られます。
調湿効果やお部屋の匂いなどを吸収しホルムアルデヒドなどの化学物質も吸収してくれると言われています。

パイン材は北欧系の針葉樹です。
寒い場所の木なので自分を寒さから守るために幹の中に気泡(空気)をいっぱい蓄えているので触った感触はヒヤッと感がなく柔らかいです。そして木目も多いです。
ただ柔らかさがある分、傷などは付きやすくお子さんがおもちゃでガリガリやると傷が付きます。

家に使われる建材はある意味住む方の価値観なので、床の傷は気になるかもという方は採用しないほうがいいかもしれません。

素材にはそれぞれ特徴があります。
パインとは反対にバーチなど傷が付きにくく固い素材もあります。木目も目立ちません。
ナチュラルというよりモダンなイメージです。

いろいろな木の特性を知ってご自身の感性や価値観に合う素材を家に採用したいですね。

キッチンです。
勝手口が奥にあり、外に直接出られます。
後述しますが、オーナー様は家庭菜園にも興味があり、お庭で栽培した野菜をこの勝手口から取り込む予定です。

キッチンで一際存在感があるのは食器棚です。
これは当社の設計士とオーナー様が入念に打ち合わせをし造った手作りの食器棚です。
収納量、位置、高さ、棚類など全てオーナー様奥様のご希望に合わせて造りました。

全てを家具屋さんに発注すると高額になるので、本体を大工さん、棚や扉などは建具屋さん、塗装は塗装屋さんに依頼し分業しました。

大工さんに本体を造ってもらっているのであたたかい手作り感があります。
使い込むうちにいい味を出していき、家族の歴史も刻んでくれるでしょう。

キッチンの奥、勝手口の脇に小さなカウンターがあります。
これは先程書いた、オーナー様が家庭菜園に使う、小さなスコップなどの庭道具を置く場所です。
モルタルの床にはまだ土の付いた穫れたて野菜を置く予定です。

基本が、住んでからの生活スタイルを想定してのプランニングなので、このような場所にも細かく反映させていきます。

リビングダイニング側からキッチンを眺めてみました。
ダイニングテーブルを動かすとキッチン前の造作カウンターがあります。

このカウンターはキッチンからの配膳テーブルにも使われますがダイニングテーブル周りで使われている
物の収納場所を兼ねています。
例えばダイニングテーブルの上で奥様が書き物をするときの文具。食事中に使いそうなティッシュ類、生活に合わせたものを収納できると思います。

このダイニング収納もキッチンの食器棚同様、本体は大工さんが、ドアなどは建具屋さんが、塗装は塗装屋さんが施工しました。
こちらも手作り感いっぱいの造作家具です。
当社はこのカウンター下収納棚をよく製作依頼されます。

ふと左を見るとやはり造作収納っぽい家具が見えます。
斜めになっているのは階段の登りに合わせて家具を造っているからです。

本来ならデッドスペースになりそうな場所を利用した収納です。
このオーナー様の場合は、収納としてだけでなくパソコンやプリンターを置く場所として製作しました。

引き出し型のテーブルはこの上にパソコンを置いておいて使いたい時だけ引き出して使えるようにしました。
この家具の奥にはLAN配線などを繋げられるようになっています。
お部屋のニッチな空間でありながら、キッチン横に配置し奥様などが思いついたときにすぐ使えるようにしました。

もう一度リビングの入口を見渡すと洗面脱衣室の入口が見えます。

洗面脱衣室に入ると壁側に収納棚が配置されています。
この家の単世帯プラス、お母様、お祖父様が同居されるので、各場所の収納箇所には工夫を施しました。

丁度この収納の裏は玄関のシューズクロークになっていて、その壁の一部を使い反対側を洗面脱衣室の収納にしました。

オープンの場所とクローズの場所はそれぞれ置く物を選別して使います。

来た道をキッチン側に戻るとトイレがあります。
ここにも収納と使いやすさを兼ねた工夫をしました。

トイレには手洗いを付けました。
こちらも造作風、オーナー様奥様のテイストのこだわりが感じられます。

モザイクタイルを貼り、水はね防止兼デザインをかわいらしく仕上げました。
手洗いボウルと木のカウンター、モザイクタイルの素材の違いがいい感じです。

アンティーク風の水洗カランもおしゃれですね。

そしてトイレ内にも造作収納家具。
トイレットペーパーや掃除道具などを収納します。

廊下を奥に進むとお母様、お祖父様の畳のお部屋があります。
廊下を挟むことでオーナー様ご夫婦とのそれぞれの生活スタイルを守ります。

広めのウォークインクローゼットには、お母様がお持ちのお着物収納を。
これも造作で作りました。

廊下を戻り、階段から2階に上がります。

 

これまでは1階部分のお母様、お祖父様との共有部分のご紹介でしたが、今回は2階部分、オーナー様ご家族のスペースです。

と言っても2階の一部分は共有になる場所もあります。

階段を2階に上がると南面に面した8畳ほどの広いホールがあります。
これはオーナー様のお子様が小さい時の遊び場兼、屋内の洗濯物干し場になります。

ご主人様、奥様、お母様と皆様お仕事をされています。
お祖父様も地域の方との交流があり、よくお出掛けになるそうです。

そして、ご家族が多いためどうしても洗濯物が多くなるのでここに広い空間をくり
屋内洗濯場をつくりました。
南面なので日当たりも申し分なく洗濯物もよく乾くと思います。

そして、外部に続くバルコニーも洗濯物を干しているときにも雨に濡れないように屋根部分をせり出しています。

そしてホールの一部には大きな本棚が。
お子様の本の収納というよりはご夫婦とも読書が趣味らしく、特にご主人様は仕事柄沢山の本をお持ちだそうでその保管場所にもなります。

そして2階にはそのような作業時や、ご家族による洗面所の混雑解消のために洗面台を設置しました。

この洗面台も既製品ではなく造作の物です。
家全体が木の素材を生かした物で造られています。

ここにもやはりモザイクタイルで壁への水濡防止タイルを貼りました。
洗面ボウルや水洗はおしゃれな物をオーナー様奥様が選択しました。

天板は一見木に見えますが、実は塩ビシート系で防水性があり、濡れても拭きやすく、硬くて傷も付きにくい日常の使用に耐えうるものを使っています。

この洗面台の隣にご夫婦の寝室があります。
8帖ほどの空間+ウォークインクローゼット。
ホール同様南向きで明るい部屋になっています。

寝室を出るとすぐ横にファミリークローゼット(納戸)があります。

今は空っぽですが、お引越しすれば荷物でいっぱいになる予定です。
クローゼットにはホールからの空気を入れるための換気用窓を付けました。
普段は締め切りなので密閉した空気がこもらないように配慮しています。

子供部屋です。
6畳ほどですが、南に面し風通しもよく明るい部屋です。
これからのお子様の成長を見守っていきます。

この度の家はいかがですか?

大事な事は、お客様の家についてのご希望や夢、今の現状のあれこれのお話をよく聞き、それをいかに目に見えるように、活かせるように、そしてそれをどう形にするかだと思います。

その事が、ご家族の将来のあり方を模索し決めることになります。

時間が許す限り時間をとり、家づくりに集中することが大切です。
家は一生に一度あるかないかのお買い物、後悔せずに進めたいものですね。