ナチュラルアスカの家

「成長期の子供たちが勉強や運動にはげむ家」

DATA


【家族構成】
大人2人 子供2人
【建築Data】
1階床面積:72.05㎡(21.75坪)
2階床面積:51.76㎡(15.63坪)
延べ床面積:123.81㎡(37.38坪)

STORY

こちらのオーナー様との出会いは、当社と仕事上で取引のあるガス器具屋さんからの紹介でした。

当社のお施主様の工事に偶然携わった際、お引き渡しの時に完成した家をご覧になり気に入ってくださったそうです。

その当時、オーナー様はご自身の家をどこの建築会社で建てようかと、地元を始め、お仕事の関係やその他、ネットなど様々な方法で探されていたそうです。

しかし、なかなか気に入る家を建ててくれる会社が見つからない・・・まさにそんなとき当社の家を見て気に入ってくださったようです。

その後、オーナー様ご夫婦にご来社いただき、今の現状とお住みになりたい家のお話を聞かせてもらいました。

そのお話の中で一つ気になる事がありました。それは今現在はご実家の離れにご家族でお住まいなのですが、この離れの建て替えというかたちで家を建てたいという事。そしてご実家はかなりの狭小地(土地の間口が狭い)だという事です。

離れの建て替えというと法律的にいろいろな制約が出る可能性がある為、その解決を優先的に進めさせていただきました。

最終的に、この離れ建て替えもご実家のご両親のご協力もあり、法律的にも解決し、オーナー様のご希望も家の随所に反映させた家を無事、お引き渡しいたしました。


では家のご紹介へ移りましょう。まずは外観からです。

最初にお伝えした通り、土地が狭小なのでカメラアングルが限られており、写真が変形気味ですがこちらは北面になります。

ご実家の土地の南側に建てたのですが南面は森で木々がうっそうとしており、太陽の光は残念ながら届きません。

その為メインの光はご実家のある北方向からになります。

北というと「光がしっかり入ってくるのかな?」と思われがちですが、プランによりリビングダイニングに十分な光が入るよう工夫を凝らしました。

玄関横に窓がありますが、この窓はオーナー様奥様がワンちゃんを飼った時にそのワンちゃんの世話がし易くよく見えるようにという事と、写真には写っていないのですが、正面にご実家の薔薇が植えてあり、薔薇が咲いた時リビングから見えるようにという目的の窓です。

玄関に入りました。
床は無垢のカバ桜、壁、天井は漆喰仕上げ、ドアはその仕上げに合わせてツガを自然塗料で仕上げたシンプルなデザインのドアです。

入ると奥の洗面所や洗濯室につながる廊下が正面に見えます。
右に見える扉はリビングダイニング、キッチンへつながります。

床が壁を挟んで折れ曲がっているのは玄関の収納場所。シューズクロークに繋がります。


反対側から見てみます。
奥に収納スペースがあります。もっと先には勝手口が。

ここに収納スペースを設けたのは理由があります。お子様が少年野球チームに入っていてバットやグローブ、シューズなどたくさんの野球道具を使うそうです。
他の家族の物と区別しないと片付かない事もあり野球道具を置く専用の場所を作りました。


勝手口はここで野球に行く用意をしたお子様が外に出やすいように。
反対に練習を終え帰ってきて汚れたユニフォームや靴を脱ぐ際、メインの玄関を汚さない為に出入りする勝手口です。

もう一度、玄関の奥に来ました。
これから左側ドアから奥のリビングダイニング、キッチンスペースに入っていきます。

リビングダイニングキッチンスペースに入りました。

正面には広い吹抜けがあります。
最初に書いた北側から光を入れるプランの仕掛けはこの吹き抜けにあります。
吹抜けですから上部窓から光を取り入れる事が出来ます。

北側ですから直射は入りにくいですが、大窓を開ける事によってたくさんの光を取り込みます。
この部分は後程2階部分のご紹介で詳しくご説明いたします。

少し角度を変えてみます。ここからも2楷吹き抜け部分の窓が見えますね。

リビング部分の広さは一部階段部分を入れて10帖程。
床は玄関と同じカバ桜、壁は漆喰塗りになっています。
この場所は隣のダイニングと兼用でテレビを見たり、ゆったり寛いだりとご家族の憩いの場となっています。

リビングダイニング側からダイニング、キッチンスペース側に目を移してみます。

奥の和室はご夫婦の寝室になります。
2階部分はほぼ3人の子供たちのスペースなのでご夫婦の寝室は1階なのですが、ここにご夫婦の意向があります。

3人のお子様たちは今まさに成長盛り。
順番に進学していき、何年か先にはそれぞれの道へと進み家を出ていくかもしれません。

その後の事を考え、ご夫婦の生活スペースは1階に設けました。
平屋のような生活が可能であれば、老後の生活はまだ先のお話ですが、そのような準備にもなります。

ご夫婦はまだまだお若いので、子育てに日常生活にこの家を使っていくことでしょう。

リビングに戻り吹抜けを見上げてみます。

吹き抜け部分の窓側に渡り廊下のような通路を付けました。
この写真の撮影時間は10時頃だったと思いますが、外から明るい光が入っていますね。

リビングダイニング、キッチンスペースに目を移します。

向かって右側は西に当たりますが、隣家が隣接しているので窓は換気をとる程度の大きさです。
左側は対面式のキッチンになっています。

キッチン内の水色の扉はパントリー兼、食器棚です。
このキッチンスペースは奥様が一番こだわられた場所です。
内部の仕掛けについては後でご紹介します。

少し角度を変えて奥のダイニング側よりキッチンスペースを見ています。

右側に、玄関から入るドアが見えてなんとなく全体が把握できるかと思います。
キッチンスペース、パントリー兼食器棚はスライド式ドアになっています。

3枚のスライドドアなので用途によって開け方を変えながら使う事が出来ます。

ダイニングからリビングを真っすぐに見ています。
右側に2階に登る階段があり、キッチンに立つ奥様は1階のお部屋全体をほぼ見渡す事が出来ます。


キッチンに入りパントリー兼食器棚を開けてみます。
これは、奥様の意向に合わせ造作家具として現場で作成しました。
大工さんが箱の本体部分を造り、家具屋さんが扉を造り、塗装屋さんが塗装した後、特注寸法のガラスをはめ込みました。

ちなみに写真に写っている棚の反対側のドアは冷蔵庫の収納場所です。


下の棚はスライド式になっています。この上には炊飯器を乗せてご飯をお茶碗によそう時、手前にスライドさせます。

ドアを開けました。
上部には日ごろ使う食器類を置き、中間にはレンジなどの電気製品類を。
下部にはゴミ箱が入ります。


ドアを閉めた所です。
閉めてしまえば中は見えなくなるので、急な来客にも対応しやすいです。


キッチンから見たリビングダイニングです。
奥様はキッチンで料理やその他、家事をしながらご家族の様子を見守りコミュニケーションをとることが出来ます。

もう一度、リビング側に行きダイニングの方を見てみます。奥に一段上がった和室が見えます。
ここは前にも書きましたが、ご夫婦の寝室になります。

将来、お子様達が成長して巣立っても平屋のように1階の動線のみで生活が成り立つようにとのご夫婦からのご要望です。



和室の奥に入りました。
6帖程の和室には収納量重視の物入れがあります。

先程ご紹介した通り、この部屋は本来は南面に面していて日当たりが良いのですが、残念ながら南面は隣家の木が生い茂っていて日差しは期待でいないため防犯面も考慮し面積が小さな換気用の窓のみにしました。


和室の入口、一段上がった小上がり部分です。
床を上げた容量をそのまま引出し式の収納にしました。

そして小上がりの横には大きなカウンターと小さなカウンター。

一見、整理棚のようなこの二つのカウンターにはそれぞれ役割があります。

大きなカウンターはオーナー様がパソコンを使った事務作業をする為で、小さなカウンターはパソコンと繋がるWi-Fiのルーターなどの通信設備の設置場所です。

ご夫婦の寝室を出て、最初に入った玄関からの廊下に向かいます。

丁度その途中に収納場所があります。それもキッチンのすぐ脇の位置。
この廊下の収納はやはり奥様ご希望の食品庫。
日常の食料の保管はもちろん、育ち盛りのお子様達のお菓子の備蓄場所にも良さそうです。

廊下から入るトイレです。
奥様セレクトのゴールドカラーのトイレットペーパーホルダーが目を惹きます。


廊下の突き当り洗面脱衣室とユニットバスです。
造作の棚にはご家族5人分のタオルや着替えを並べる予定。

洗面脱衣室から繋がっている部屋があります。部屋というよりスペースでしょうか。
こちらはランドリースペース。


奥に勝手口があります。

この家の南面は隣家の木々があり日当たりは良くないとお伝えしました。
ただ、日陰にはなってしまいますが外干しは可能なので、このランドリースペースで洗濯をし勝手口から出て外に日陰干し、洗濯物が乾いたら取り込む一連の作業がここで行えます。

雨の日などはここで室内干しが出来るように物干し金物を天井に備えました。

元気いっぱいなお子様達が学校の部活や少年野球などで洗濯物をたくさん持ってきます。
その洗濯物を効率良く洗って整理するのがこのスペースです。


洗面脱衣室を出て玄関まで戻って来ました。

リビングダイニングに入ってすぐの階段を登りいよいよ2階のお子様達のお部屋に向かいます。

1階リビングからオープン階段を登っていきます。
段板はパイン材、蹴込部分は壁と同じ漆喰塗りとなっています。階段の先から明るい光が差しています。

階段を登り切った所です。


登ってすぐ横の1階リビング吹き抜け上部部分を見ています。
スチール製の真っ白な手摺が吹き抜けの漆喰の白さとよく馴染みますね。
廊下の先にある収納の方に進んでみます。

突き当たりから今来た反対へ目を移します。
この吹き抜け部分の廊下は、ここで行き止まりですが何のためにあるかというと、一番の目的は吹き抜け上部にある外から光を取り込む為の窓のガラスを拭くためです。

吹き抜けというと窓が高い位置にある為汚れてもなかなか拭きにくいですね。
背の高い脚立なども必要になります。実際脚立を使っての窓拭きは危険も伴います。

そういったデメリットを解決し、窓ガラス掃除を簡単・安全にしてくれたのがこの廊下です。
もっと狭く作る場合はキャットウォークとも呼びますが、この廊下は普通の廊下の幅と一緒にしました。

最近、当社のお施主様が吹き抜けとキャットウォークをセットでよくご希望されます。
完成見学会などでその解放感と便利さを実際に体感され、プランに取り入れようかなと考えてくださるようです。

廊下から下を覗いてみます。リビングが一望できます。

下にいる家族の様子も見え、広がる解放感もあっていい気持ちになります。
そしてこの廊下の二つ目の利点は、吹き抜けの窓の開閉が楽にできることです。

季節によって、外から気持ちの良い風を入れたり反対に家の中の空気も出しやすいです。
明るい日の光と新鮮な風を効率よく取り込めるこの吹き抜けとキャットウォークの価値は大きいでしょう。

廊下を先へ進みます。右に曲がるとお子様達のお部屋へ続きます。


吹き抜け階段から廊下に入り進んでいきます。

1部屋目です。
子供部屋はお子様達にそれぞれ好きな壁紙を選んでもらいました。
このお部屋のアクセント壁紙の色は紫でしょうか?

床はパイン材で、オーナー様ご希望のお子様用勉強机を造らせていただきました。
造作家具になります。

材質はパイン材等で、椅子に座ると正面にあたる部分にコルクの板を貼りました。
ここには学校からのお知らせなどを画鋲で留められるようにしています。

そして正面にはコンセントとノートを照らす直付けダウンライトを設置いたしました。
これからの学校の授業を想定して、パソコンを使ったネット授業にも対応出来るようにしました。

窓は南面ですが隣家の木で日は射さないので換気中心の窓です。

2部屋目です。

先程のお部屋とは違い、ホワイト一色ですね。収納と造作机は前のお部屋と同様です。

3部屋目。

こちらも他のお部屋と同じ仕様。お子様お好みの壁紙です。
1部屋目は女の子、2、3部屋目は男の子。女の子のお部屋は可愛らしい色の壁紙でした。

全室共通の造作勉強机です。

パイン素材の木で机と簡単な本棚を造りました。

現場での造作机なので、大工さんが箱部分を造り、塗装屋さんが塗装し内装屋さんが正面にコルクボードを貼ります。

オーナー様のご希望やお部屋の内装インテリアに合った仕上がりになります。
もちろん机の幅や高さなどはご希望にぴったり合わせたオーダーメイドです。
この机がお子様達が勉強、遊びなどで使った思い出の残る場所になってもらえたらうれしいです。

お部屋を出て廊下に戻ります。

ここは2帖程の納戸です。
ここにもお子様の成長記録や思い出の品々がたくさん詰まっていくことでしょう。

トイレはフィンレイソンのエレファンティという鮮やかな黄色いゾウのデザイン壁紙を貼りました。

吹き抜け階段の所に戻って来ました。


1階のリビング部分です。

ご紹介は以上になります。

打ち合わせはオーナー様のご都合もあり、プランニングにかけた時間はそんなに長くなかったと思います。
しかしその短期間の中でこのプランを当社設計担当の中村が仕上げ(多少鼻高々な気持ちもあります)、オーナー様のご希望とこだわりが実現した家だと思います。

お引き渡し後オーナー様より、実際に住んでみた家の感想「お客様の声」をいただきました。
これから家づくりをされる方のご参考になるかと思いますのでオーナー様ご了承の上、公開させていただきます。