このオーナー様との家づくりは「カーサリンネル」というデザイン規格住宅にオーナー様が興味を持ち、その施工店である当社にいらしてからでした。
「カーサリンネル」はこの家を企画した「カーサプロダクション」という会社と雑誌「リンネル」とのコラボレーションから誕生しました。
家のデザインイメージは北欧風。
北欧住居で見られる、自然環境の中で光や風を取り込みながら生活するしっとりと落ち着きのある家というイメージです。
確かにこの家はまるごとデザイン住宅になるのですが、それ以外に当社からオーナー様にご提案させていただいたことがあります。
それは、耐震性と断熱性は当社で標準としている、許容応力度計算を基準とした耐震等級3を取ることと、断熱材は当社標準断熱材「セルロースファイバー」を充填し断熱等級4とすることです。
(カーサリンネルではデザイン性を重視していますが、家の性能に関しての規定はありませんでした。)
「カーサリンネル」のそのデザイン性、開放的な間取りの自由性に価値を感じられたオーナー様にとっては、当社からの提案は当初、それ程重視していなかった点かもしれませんが、これから何十年とこの家に住まわれるオーナー様には安心安全、そして快適に過ごしていただきたいと思っているため、まず初めにご提案させていただきました。
オーナー様もこれらの提案にはご理解とご賛同いただき、この方向性で家づくりをスタートすることとなりました。
まずは外観から。
カーサリンネルの個性的でシンプルなデザインです。
外壁はホワイトの塗り壁にホワイトの窓枠、高性能木製デザイン玄関ドアが落ち着いた外観を演出しています。
それでは、家の中をご案内いたします。
玄関ドアを開けて入っていきます。
家の特徴の一つのオープンな間取りです。奥のキッチンの一部まで一望できます。
玄関の土間部分も広いです。これだけ広ければお子さんの三輪車や自転車などもそのまま収納できますね。
奥に見えるのはシューズクロークです。
その中でひと際目を引く中央の階段。
この階段はこの家の設計に合わせ特注で造られたもの。
床の無垢のナラ材と素材や色具合も良く合っています。
少し奥に入り別の角度から見てみます。
シューズクロークの棚が見えます。棚は可動棚。
これだけあればご家族の靴の収納には十分だとおっしゃっていました。
アールの入り口がポイントですね。
玄関ドアに入ってすぐ横にあるカウンターです。
このカウンターの土間部分で来客時の接客なども出来ます。
普段は季節のものを飾り付けてもいいですね。
玄関のシューズクロークに入ってみました。
可動式(高さを変えられる)の棚が並んでいます。
裏へ廻ると手洗い用の洗面台が設置されています。
お子様が外から帰ってきた時にシューズクロークで靴を脱ぎここで手洗い。
手を洗ったらそのままリビングダイニングへお母さんに「ただいま~」そんな日常が見えるようです。
そんないつもの生活ルートを通ってリビングダイニングに向かいます。
玄関から見た鋼製の階段の下を通り奥へ向かいます。
ここに立つとお部屋の全体が見渡せます。玄関からキッチンへの流れが見てとれます。
これを見て感じることは生活するご家族の距離感が近い事ですね。
お子様の帰宅、リビングダイニングへ又は2階へ、1階で勉強、遊び、会話、食事、ご主人の帰宅、奥様との会話、食事、入浴、その前のお着替え等。
常にご家族の存在を感じながら生活できそうです。
この家の中の主役のように存在感のある鋼製の階段。
壁を設置する代わりに4本の柱を設置してあります。
この柱、何気ないですがこの家の耐震性能上とても重要です。
当社の標準性能、耐震等級3を保持するためにオリジナルの「カーサリンネル」より柱を一本増やしてあります。
意匠的にも使い勝手でもオリジナルと変わらないという事でオーナー様にもご確認いただきました。
キッチンへと近づいてみました。
リビングダイニングにもオープンな間取りです。
リビングダイニングの床は無垢のナラ材ですが、キッチンの中はデザイン、色、質感とも選び抜かれた大判のタイルです。
ナラ材との相性やコントラストもよく、落ち着いた印象です。
キッチンは今回「ウッドワン」といメーカーの「su:iji(スイージー)」のニュージーパインが標準タイプでした。
家のイメージにもマッチし落ち着いた中にも明るさを感じます。
それとキッチンでもう一つの特徴は壁にタイルを使っていることです。
このタイルは表面が平滑的な一般的なタイルと違い、少し表面が波うっており照明などの光を絶妙に反射してやさしい光沢を放っています。
バックヤードの収納家具も「ウッドワン」の物で統一しました。
照明器具はLED4の電球型でおしゃれです。
キッチンからはリビングダイニングの様子が全て把握できます。
ご家族の気配を常に感じながら一人にならずにお料理できますね。
キッチン横の収納です。リビングダイニングのちょっとした小物類の収納にも重宝しそうです。
食器等はバックヤードに収納出来るので、この辺りは保存食などの保管庫に。
玄関、リビングダイニング、キッチンから同じ距離間のトイレです。
背面壁はタイル張り。
キッチンとは色合いが違いますが、こちらも落ち着けそうな空間です。
2階へは先程紹介したオープンな鋼製階段を登ります。
手摺までスッキリとしたデザインで、漆喰壁のホワイト、階段床板のナラ材のブラウンによく合っています。
階段を上がりきると幅の広い洗面スペースがあります。
ホワイトのタイルが貼られ、こちらもホワイトの洗面ボウルが設置されています。
この洗面台の左側には畳1帖ほどの脱衣所があり奥はバスルームになっています。
脱衣所には高さ調整が出来る棚が設置されています。
タオルや着替えなど、親子で背の高さに合わせて収納しておけばお風呂から出た後スムーズに着替えなどが出来ると思います。
じゃあ洗濯場所はどこかというと、先程の洗面台の右側にランドリールームがあります。
一般的にはまだ洗濯物は外干しのイメージがありますが、オーナー様ご夫婦は共働きなので洗濯物を外ではなく、室内に干したいという当初からのご要望でした。
その点も「カーサリンネル」の家の設計コンセプトと合っていたようです。
外干し用の2階のバルコニーは必要とせず、広めの洗濯場所兼室内干し場を希望されていました。
洗面台の左手の浴室で脱いだ洗濯物は右手のランドリールームで干されます。
そしてここは2階、ご夫婦の寝室やお子様の部屋がある階です。
オーナー様のお忙しい毎日の家事動線を予想した場合、2階で洗濯をし脱水後室内干し場所で洗濯物を干し、そのまま寝室でお休みになるという事も可能だと思います。
朝には洗濯物が乾いているかも?
それでは寝室に入ってみます。まだお引渡し前で家具等はないです。
家具はないですが、お部屋の感じはこの写真からも分かります。
入ると天井までの吹抜けになっています。
1階と同じ無垢のナラの床材、ホワイトの漆喰が落ちついた雰囲気です。
この家のシンボルでもある丸窓が外から明るい光を届けてくれます。
入ってすぐのところはオープンタイプのウォークインクローゼットになっています。
ご夫婦の洋服がここに収納されます。
お部屋の中に少し入ってみるとこの部屋の全体が分かります。
夜は丸窓から星や月が見えるのでしょうか?
お子様の部屋です。
やはりこちらもホワイトの漆喰壁と無垢のナラ材の床。
お子様はお二人いらっしゃいますが、まだ小さいのでしばらくは一緒に一部屋で過ごされます。
大きくなったら今の部屋を二つに分けてそれぞれ勉強部屋にする予定です。
今回の家は「カーサリンネル」の北欧デザイン住宅。
限られた大きさの中で、間取りや造りなどご家族の距離を近くする工夫がたくさんありました。
もしかしたらオーナー様ご家族もそんな風に感じて、この家に住もうと決心されたのかもしれません。
家づくりのヒントになりそうなことが見つけられそうです。