このオーナー様との最初の出会いは当社へのご訪問から始まりました。
家の話や資金の話などいろいろさせていただきましたが、驚いたことに共通の知り合いもいたり、お話が最初から盛り上がったことを覚えています。
その後、当社でお薦めしている家づくりの為のライフプランをしていただき、将来のお金のことを考えながら家づくりの総額を決め、まずは土地探しからスタートしました。
オーナー様の土地へのご希望は、今はまだ小さいお子様の小学校、中学校の学区についてのことでした。
場所にはこだわりがありましたが、土地の広さにはそれほどご希望はなく、オーナー様が理想とされる家の規模が入れば問題なさそうでした。
当社の場合、お客様へのご提案としてライフプランにて家づくりのお金の目安が付き次第、土地がまだ決定していなくても土地探しと同時進行でプランニングを始めます。
まず最初にお客様がご家族と毎日過ごされる、「住みたい家」のご要望の聞き取りなどをさせていただき、プランニングし見える化します。
そうすることによって土地探しの目安にもなりますし、ご家族が住みたい家が具体的に見えてきて次々にご要望が湧いてきて、満足のいく家づくりのプランが立てられます。
当社の場合、家のプランニングにはお客様がご希望であれば時間が許す限り時間をかけます。
家はご家族の日々の生活を快適に住みやすくすることが重要です。
家の中隅々までご家族のご希望が行き渡った家のプランニングを完成させたいですね。
まずはこの家の外観から。
南面は日当たりがよくレモン色の外壁が青空によく映えます。
塗り壁に粘土瓦屋根は奥様のご希望。
緑の窓枠や擬石はご主人様の好きな「東京ディズニーシー」の建物を参考にされたそうです。
それでは、家の中のご紹介します。
玄関ドアを開けて中に入ると3畳程の玄関ホール。
床は当社標準仕様の無垢のパイン材。壁は漆喰塗りです。
パイン材の床は当社のお施主様の約半数が採用されています。
パイン材は主にフィンランドなど北欧系の寒い地域が原産なので、木の幹に空気をたくさん含み触ったり踏んだりしてもヒヤッと感が少なく、足への感触がやさしい木材です。
反対にデメリットとしては柔らかいので傷が付きやすく、経年による表面の色の変化も起こります。
新築当初の白っぽい色からだんだんと飴色に変化していくのですが、お施主様の中には床の傷も思い出になるし色の変化も木の味わいが深くなる、とその特徴をプラスに解釈してくれる方もいらっしゃいます。
壁や床など内装に使うとき、特に自然素材はその特徴をよく理解して採用する必要があります。
正面にはLDKに入るパイン材のドアがあります。
ふと横を見るとコーヒーカップの形の手洗い場。これは奥様のご希望です。
お子様が保育園や学校から帰ってきたらまず手洗い。
きれいになってからお部屋に入ろうね、という気遣いの設備です。
壁にかわいいニッチボックスを2箇所設置。
お気に入りの小物が季節毎に飾られ、来客者を和ませてくれそうです。
オーナー様希望で、トイレは玄関にあります。
階段やトイレなどお住みになるご家族の価値観や優先順位で場所が決められる箇所があります。
トイレの中にはトイレットペーパーを収納する木製の造作吊戸棚など収納も設置。
それではドアを開けてLDKへ。とびきり広い空間ではないのですが、ここにオーナー様の工夫がたっぷり詰まっています。
一つ一つご紹介してまいります。
壁と床の素材は玄関と同じ自然素材のパイン材と漆喰です。
別の角度から見てみます。
先程、入ってきた玄関からのドアの右横には洗面脱衣室のドアがあります。
その前には固定式のダイニングテーブル。このテーブルはオーナー様のご希望で取り外しが可能になっています。
リビング側からダイニングキッチン側に入ってみます。
プランニングの折、オーナー様特に奥様が一番気にされていたことは、家事動線、生活動線などをなるべく短くしたいということ。
土地選びのときにもそうでしたが、奥様はご自身が叶えたい事などが定まりましたらそれをご自身で集中して突き詰めていくタイプで、家のプランニングも納得されるまで時間をかけて熟考なさっていらっしゃいました。
丁度育児休暇の期間が決まっていて、その期間に間に合わせる為という事情もございました。
リビングからダイニング、キッチンへ・・・と家事動線をなるべく短く。
ただここで、ポイントが一つ。キッチンだけは近くてもフルオープンにはしない。
手元やキッチンの調理台などはリビングから見えにくいように。
急な来客などで、慌てることなく家事が進められる、そんなイメージでこのキッチンが出来上がりました。
キッチンの裏手にあたる場所には二つの扉。
正面はリビング用の収納。
リビングでは何かと細々した物の収納が必要になります。
右側のドアはパントリー兼、奥様の作業部屋。
奥様はミシンを使った裁縫や工作作業がお好きらしくこの部屋はその集中部屋。
もちろんお仕事の事務作業もこの部屋でこなします。
部屋の中はこちら。奥様お一人でホッとひと息つける個室です。
奥には棚があり、保存食やウォーターサーバー用のお水の備蓄などパントリーとして使用します。
こちらはダイニングから入る洗濯洗面脱衣室です。
収納を重視し、少し広めにスペースを取りました。
玄関からも近く、お子様が外遊びで泥だらけで帰ってきてもすぐにお風呂入れます。
洗濯洗面脱衣室から出ました。
この位置からだと南から日差しが入っていることが良く分かります。
アールの壁や柱がやわらかくて優しい雰囲気です。
位置を変えてみます。すると正面にマガジンラックのついた四角い扉とその上にアールの開口部が見えます。
これは2階上がる途中に設けたスキップフロアの下の収納部です。
扉は一件本棚のように見えますし、実際に本が立てかけられます。
扉はスライド式になっていて開けてみると中は収納庫というより秘密基地?
外へつながる窓も付いているため、外からの採光と、換気が必要になれば窓を開け空気の入れ替えが行えます。
丁度お子様の背丈ですんなり入れるので収納+お子様の遊び場。まさに隠された秘密基地です。
お母さんと一緒に遊ぶことも。
階段途中のスキップフロアを覗いてみます。
お子様のスタディスペースにもなるカウンターテーブルを設置。
階段を2階まで登ってみます。
2階の廊下です。
すぐ左の扉はご夫婦の寝室。右側は子供部屋。奥の扉は音楽室になります。
音楽室?と思われるかと思いますが、詳しくは後でご紹介いたします。
まずは寝室に入りました。
南面に向いているので明るい日差しにあふれています。
右側が入口で奥の開口部分はウォークインクローゼットになります。
ここにはご夫婦の洋服などが収納されます。
ウォークインクローゼットから出ると奥に階段。
確かこの家は2階建てなのになぜ階段が?と思いますが、階段の先は小屋裏収納へつながっています。
天井の高さは建築の法律上の決まりがあるので高さ1.4mで制限されますが、奥行きが4.5m位、幅も1.8m位あります。
1階のスキップフロア下の収納部屋のように窓も付けました。
下に降りて子供部屋に入ってみます。
今は一部屋ですが、ご家族が増えたら真ん中の梁の部分で仕切りをつくって二部屋にする予定です。
それまではこの部屋でお子様と目一杯遊べそうですね。窓から富士山も覗けます。
廊下を通って音楽室に入りました。
音楽室にはオーナー様の思い入れがあります。
旦那様は中学高校の音楽講師をされており、奥様は中学校の音楽教師。お二人とも音楽には強い思いがあり家を建てた際には一緒にお部屋で楽器を奏でようと思われていたようです。
音楽室を作るにあたっての大きな課題はその楽器の音をどのようにして家の外に漏れないようにするかです。
やはり楽器を家で奏でる場合、楽器の音がご迷惑にならないか、近隣住居への音の伝わり具合が気になる所です。
その課題の解決方法は当社で採用している断熱材「セルロースファイバー」でした。
「セルロースファイバー」は高い断熱効果以外の効果として遮音性能があります。
当社のお施主様の中にはこの性能を生かし家の中に「シアタールーム」をつくられた方もいらっしゃいます。
その中でお好きな映画やゲームなど時には大音量で楽しまれているようです。
外で遮音効果を確認してもほとんど音は漏れておらず、ご近所からのクレームも一切ないそうです。
今回「セルロースファイバー」を断熱性能だけでなく遮音性能としても採用しました。
ただ、「シアタールーム」をつくられたお施主様のように完全遮音構造ではなく、本来の断熱効果採用としてです。
オーナー様が試しに家の中で楽器を演奏され、外で確認したところ、周りの生活音にかき消されほとんどご近所に音は届いていないようです。
家の中の照明器具は全て奥様がネットショップにてお好みで選ばれたものです。
灯数が多かったので大変だったことと思います。どれも素敵です。
奥様はカエル君のファンらしいです。
当社での打ち合わせ時にもカエルの小物をいくつか持ってきていました。
これはダイニング収納庫の取っ手。これも奥様がネットで見つけたものです。
最初にもご紹介した玄関のコーヒーカップ型手洗いボウルです。
お子様の帰宅時にはまずは手洗いから。時期的に「新型コロナウイルス」予防にもなりますね。
スキップフロアをリビングダイニング側から見たところです。
ご家族揃っての楽しいひととき。毎日の楽しい生活が見えるようです。
玄関から外へ出ました。
この日はたまたま奥様のお母様もいらしていて、一緒に来ていたワンちゃんに写真に入ってもらいました。
玄関のタイルやレンガのステップなど、奥様のアイデアです。
オレンジ色の化粧砂利など色のトータルコーディネートが明るい雰囲気。
ワンちゃんもモデルさんに見えてきます。
玄関を正面から見てみました。
レモン色の塗り壁材に擬石の玉石が貼られています。
それはミッキーマウス。
ご家族は大のディズニーのファン。ディズニーシーによく行かれるようです。
「隠れミッキー」分かるでしょうか?
お子様がのぞかれている窓のグリーンの窓枠もディズニーシー仕様だそうです。
お庭は全てご家族の手作り、カラーモルタルを練り丁寧に土の上に塗っていきます。
ビー玉も埋め込みました。
あれ、ここにもミッキーが。
この家全体がオーナー様の家への希望や遊び心がいっぱい詰まっています。
楽しい毎日がずっと続きそうですね。