「長野県北部地震、新聞報道に驚いて現地を見に行く」5

STORY

こんにちはアスカ工務店遠藤です。
今日は「長野県北部地震、新聞報道に驚いて現地を見に行く」の5回目です。
1回目
2回目
3回目
4回目
今回は昨日の続き。
地震で家が押しつぶされる原因2から始めます。

昨日は柱と土台、柱と桁の結束が外れてしまって倒壊した理由を補強金物の
例を出しながらお話しました。
まずは倒壊した家の現地の写真より。

この写真をよく見ると柱がポッキリ折れてしまっていることが分かります。
(写真が小さくて分かりづらいかな?)
という事は柱にかなりの力がかかってしまったという事。
木造建築、特に在来木造建築工法というのは地震、台風などによる風など
外力はもちろん、家本来の荷重や家の家具などの荷重は
柱、桁、土台、基礎などが力を分担し合って家を支えています。
柱も一本の力というよりは何十本という柱が支えるのですが、
特に外力に対して大事な材料は「筋違」という材料です。
筋違とは

筋違とはご存じだとは思いますが、斜めに梁と土台をつなげて地震の力に対抗します。
この筋違を入れることによって、桁と柱、土台などを一体化させ地震などの力を
家全体に分散させて、力の集中を防ぎます。
今回、柱が何本も折れてしまったという事はもしかしたら(本数を数えてたわけでは
ないので)筋違が足りなかったかもしれません。
こうした場合、地震の力が弱い所に集中して柱などを何本も折ってしまったかも
しれません。
他に倒れた家を見ても腰砕けのように倒れているのは1階部分の
筋違が少なかったかもしれません。



新耐震基準の今の家は筋違はもちろん入れますが、構造用の外壁下地材を使って
点ではなく面として地震などの外力に抵抗します。
構造用外壁下地材

地震が起った時に家に求められる安全性は壊れないにこしたことはないですが、
まずは家が倒壊しないことが必須条件だと思います。
最低でも、中の人が無事でいられるという事です。
今回の家を見させていただいてそんなことを強く感じました。
次回は、この長野北部地震、堀の内地区の様子をもう少し見たいと思います。