住環境の快適さの定義は、人それぞれ個人差があることやどんな住環境に住んでいるかで違ってきます。
一般的には快適さや住み心地の良い家というと、「日当たりが良い・風通しが良い・開放感がある」などをあげると思いますが、暑さ寒さなどで窓は閉めっぱなしが多いと思いますし常に冷暖房で温度差を感じながら生活しています。
ただ、日々の生活の中で“温度差”はつきもの。
冷房の効いた室内と屋外、暖房の効いた部屋と効いていない廊下など、“温度差”を感じることは多々あります。
しかしこの“温度差”は、身体にいろいろな負担を与えているのです!
例えば…
夏/冷房病・寝冷え・夏風邪・不眠
冬/ヒートショック・脳卒中・風邪・湯冷め など
以上のように、寒くても暑くても“温度差”は、私達の快適な生活を妨げるだけでなく、健康を損なうこともあるのです。
一般的に「快適な室内環境(気候)」とはどのような状態を言うのかというと、IEA(国際エネルギー機構)では、室内における状態を次のように定義しています。
室内温度
- 冬においては20℃前後であること
- 夏においては28℃前後であること
- 部屋の水平温度 が一様であること
- 上下の温度差 3℃から4℃以下であること(ある部分の室内に面する箇所の温度は、その部分に近接する室温より3℃から4℃低い程度であること)
湿度
- 冬においては40から50%で乾燥感や湿っぽさがないこと(学会によっては35から50%という説もある)
- 室内気流 0.1から0.2m/sであること
ひところ住環境としてはシックハウス症候群という家に使われる建材などから揮発するホルムアルデヒドなどの
化学分質が人の健康を害すると被害者もたくさん出て大騒ぎになったことがあります。
家の温度差の影響は、このシックハウス症候群とは違い、急激に自覚症状が出て病に伏せることは少ないと思いますが、前述したように温度差の体への影響が季節ごと体調に影響を及ぼしたり健康を損ねることにはなると思います。
そして、それは将来、高齢者になった時にヒートショックなどの症状で致命的な影響が出てしまうかもしれません。
家の断熱性能は省エネという観点からとても大事だとは思いますが、その前にご家族の健康に配慮しての性能へのこだわりも大事だと思います。