「一階だけで生活のすべてを完結したい」それが最初のご希望でした。
一階だけ、というのは二階に上がらなくても生活が成り立つということ。
そこには理由がありました。
オーナー様が40歳を超えられての家づくりのため、あまり高額な住宅ローンを組みたくないということと、今は小学校低学年のお子様が将来独立された後、ご夫婦だけの生活になったときにあまり部屋数が必要ないのでコンパクトな家にしたいというお考えからです。
そして、こだわりと夢もありました。
奥様がご自宅での仕事が多いので仕事場は快適にしたいということ。
その為、一階にご夫婦の寝室、キッチン、リビングダイニング、浴室、洗面所、トイレなどを生活スペースを配置し、2階に子供部屋、大容量収納、中央には奥様の仕事部屋を配置しました。
そこはちょうど吹き抜け部分で、一階から入った風がトップライトより抜けていき、夏でもエアコンがいらないとても過ごしやすいとおっしゃっていただけるお部屋環境に仕上がりました。
リビングダイニングの上部が吹き抜けです。
家の中心に大きな吹き抜けがありオープンなので、ご家族がどこにいてもお互いを感じることができます。
吹き抜けの天井には開閉式のトップライトを配置しました。
一階の窓から入った風が気持ちよくトップライトから抜けてくれます。
オーナー様は木のぬくもりにもこだわりました。
むき出しの構造体の梁を見せ、天井は二階の床のパイン材の床を兼用しています。
一見ログハウスの様にも見えます。
枝のついた自然木はオーナー様がお知り合いの方からいただいたものを採用しました。
自然のインテリアにもなりますが、枝を利用しバッグハンガーとしてカバンや帽子などをかける予定です。
壁付キッチンはお部屋が広く使えるという利点があります。
リビングダイニング側に振り返ると造作のカウンターがあり、そこで食事をとることもできます。
奥はパントリーに一直線につながっています。
この反対側には洗面洗濯室もあり、この一直線の家事動線は効率よく家事をこなせます。
二階へ上がる階段です。
構造体も兼ねる太い梁が家を支えながらインテリアの役割も果たしています。
この梁にもオーナー様のこだわりがありました。
「なるべく、形成した形のいい梁ではなく、自然に近い丸太のような梁にしたい」ということでした。
山から切り出した檜の木を丸みを上下残して配置しました。
広い吹き抜けは上下階の室温の差が生まれやすくなります。
シーリングファンを設置しその差を緩和するように空気を循環させます。
この吹き抜けがこの家のシンボルです。
吹き抜けを通して家族がどこにいてもコミュニケーションがとれます。
上から覗き込みました。
二階をご紹介へ移ります。
右のテーブルは奥様の仕事用デスクです。
上からのトップライトの光と窓から抜ける風が気持ちよさそう。
子供部屋です。
こんな部屋なら勉強以外にもいろいろ空想できる空間になるかな?
二階の納戸です。
収納は大容量で、窓からと木製の内窓で換気も十分行えます。
下へ戻り一階の寝室です。天井も床もパイン材で仕上げました。
お部屋の中で森林浴が楽しめそう。
最後に現場で造った造作洗面台です。
カウンターは水にも強く、キズも付きにくい素材で仕上げました。