中古住宅の断熱工事のポイント

STORY

こんにちは、アスカ工務店の遠藤です。

当社では「性能向上リノベーション」といって、中古住宅をスケルトン化(基礎、土台、柱、桁など家の構造材だけを残して解体)し、そこから耐震・断熱性能、劣化対策を施して、中古住宅を新築同様の性能に向上させる工事を施工しています。

今日はリノベーションというよりは「リフォーム」。
家全体というよりはリビング・ダイニングなどの家族が集う場所や寝室など、リノベーションと比較すると予算を抑えて行える断熱工事について書こうと思います。

 

●断熱性が重要な理由
断熱性が高い住宅は、夏の暑さや冬の寒さを室内に持ち込まず、エアコンや暖房の使用を最小限に抑えられます。

中古住宅では、築年数が経つほど断熱材の劣化が進んでいることが多く、また昔の基準では現在ほど断熱性能が重視されていなかったため、断熱不足が問題になることがよくあります。
断熱性を高めることは、長期的な資産価値を守るために重要であり、リフォームを通じてその性能を改善することが可能です。

 

●中古住宅での断熱性チェックポイント

中古住宅を購入する際、断熱性を確認するためのポイントを押さえておくことが大切です。
以下のステップに従って、物件をチェックしてみましょう。

(写真:断熱材が入っていない天井上)

1.壁や屋根の断熱材の状態を確認する

中古住宅では、断熱材が劣化している場合が多いです。
できれば断熱材がしっかり機能しているか、専門家に点検してもらいましょう。
この検査の事をインスペクション、建物状況調査といいます。

壁の中にどのような断熱材が使用されているか、天井や屋根の断熱材の有無も重要な確認ポイントです。

2.窓の断熱性能

中古住宅では、窓の断熱性能が低いことが多く、熱の出入りが激しい箇所です。
もしシングルガラスの窓が採用されている場合、二重ガラスやLow-Eガラスに交換することで、断熱性能を劇的に向上させることができます。

(写真:断熱材が入っていない床下)

3.床下や基礎の断熱を確認する

床下の冷気が原因で室温が低くなることがあります。
中古住宅では、床下や基礎部分に断熱材がしっかり設置されているかを確認しましょう。
床が冷たく感じる物件は、断熱材の欠如や劣化が考えられます。

 

 

◆中古住宅の断熱性能を向上させる方法
中古住宅でも、リフォームを通じて断熱性を大幅に改善することが可能です。
以下に、断熱リフォームの具体的なステップを紹介します。

1.断熱材の追加や交換

壁や天井、床下に断熱材を追加することが基本です。
断熱材には、グラスウールや発泡ポリスチレン、セルロースファイバーなどがあります。
中古住宅では、劣化した断熱材を交換し、新しい断熱材を適切に施工することが断熱性能向上の鍵となります。

2.窓の交換

先ほど述べたように、窓は熱の出入りが大きい部分です。
シングルガラスの窓を断熱性の高い二重窓やLow-Eガラスに交換することで、家全体の断熱性が大幅に向上します。
また、サッシの素材もアルミから樹脂に変えることで、さらに断熱効果が期待できます。

3.ドアや隙間の断熱処理

中古住宅では、玄関ドアや窓の隙間が断熱性を損なう原因となることが多いです。
ドアの断熱性能を高めるためのシーリング材や、窓周りの隙間に断熱テープを貼るなど、簡単にできる対策もあります。これらの小さな改善が、大きな快適さと光熱費削減につながります。

4.断熱リフォームのタイミング

中古住宅の購入後、すぐに断熱リフォームを行うことをお勧めします。
特に、外壁や屋根の改修と同時に断熱材の追加や交換を行うと、効率的に断熱性能を向上させることができます。また、内装リフォームと合わせて行うことで、手間や費用を抑えることも可能です。

 

◆リフォームで資産価値を守る

断熱リフォームは、住宅の快適性を高めるだけでなく、将来的な資産価値を維持するためにも効果的です。
高断熱の住宅は市場でも人気が高く、省エネ性能を重視する買い手にとって大きな魅力となります。
エネルギー効率が良い物件は、将来の再販時にも高い評価を受けやすく、資産価値の低下を防ぐことができます。

 

◆中古住宅購入時の断熱リフォーム計画のポイント

中古住宅を購入し、断熱性を向上させるためには、しっかりとしたリフォーム計画を立てることが重要です。以下のステップを参考に、断熱リフォームを計画してみましょう。

1.リフォーム費用の見積もり

断熱リフォームは、規模に応じて費用が異なります。
購入予定の物件にどの程度のリフォームが必要か、事前に見積もりを取り、予算に組み込んでおくと安心です。

2.優先順位を決める

すべての箇所を一度に断熱リフォームするのは難しい場合、最も効果が大きい部分から優先的に取り組むと良いでしょう。
たとえば、窓や天井からの熱損失が大きい物件では、まずはこれらの部分の断熱を強化するのが効果的です。

3.専門家のアドバイスを活用する

断熱リフォームは専門的な知識が必要な部分が多いため、信頼できるリフォーム会社や建築士に相談し、最適な断熱材や工法を提案してもらうことが重要です。

 

まとめ

中古住宅を購入する際、断熱性は見逃してはいけないポイントです。
リフォームを通じて断熱性能を向上させることで、快適な住環境を実現し、資産価値を守ることができます。壁や天井、窓、床下の断熱状態をチェックし、必要に応じてリフォームを計画することで、住み心地の良い家づくりが可能です。
断熱リフォームにより、光熱費の削減や環境負荷の軽減、さらには将来の売却時にもプラスの影響を与えることが期待できます。

中古住宅の購入をお考えの方は、ぜひ断熱性にも注目し、資産価値を守るための賢い選択をしてください。
リフォームを通じて理想の住まいを実現するお手伝いをいたします。