早いもので、新居に暮らし始めてから約1年が経過しました。
ずいぶんと遅くなりましたが、私たちの工務店選び、家づくりを振り返り、住んでみての感想をお手紙にしようと思います。
私たちは先に土地を取得し、最初は考えがまとまらないまま、住宅展示場に見学に行ったものの、いろいろなメーカーや、気になった工務店の完成見学会などに参加するうちに、自分たちの希望がはっきりしてきました。
・非ハウスメーカー
・自然素材を使用した家
・地震に強い家
・外壁・内壁ともに塗り壁
・飽きずに長く住める外観と耐久性
このうち、気に入ったある一社があり、土地をすでに取得しローンの支払いが始まったこともあり、早く建てるべく営業担当の方と「では具体的にプランを組んでみましょうか」というところまでいきました。
ところが「お客様の希望する建坪や条件を、当社のプランに落としこんでいくと、総額〇〇〇〇万円、月々の支払計画では〇〇万円ほどになりますね」と図面を引く前の段階から、提示された金額はすでに大幅に予算オーバーでした。
プランを進めれば、この金額に加えて当然あれもこれもしたいと希望が増えるでしょうし、予算内に納めるために「2階は珪藻土をあきらめてビニールクロスに…」とか「屋根材を安いアスファルト系に…」といったような我慢を強いるようなプランになってしまうのが、この会社の他の施工例からみえみえでしたので「それは絶対にイヤだ!」とコストの高いこの会社は候補から外すことにしました。
やはり県内の会社とはいえ、ハウスメーカー寄りの営業活動をしているせいでしょうか。
時を同じくして「頭金に」とあてにしていた資金がすぐには用意できないことになり、私たちの工務店探しはふり出しに戻ってしまいました。
資金の工面ができるまで時間もできたので、家づくりの本をいろいろと読んでいくうちに、私の中で断熱材や壁内結露、壁内通気方法についての関心が高まっていきました。
そこで私たち夫婦のイメージに近いフレンチ・プロバンス系の住宅を得意とする県内の住宅会社数社から絞っていくことにしたのですが、各社の使用している断熱材をよく調べてみると、グラスウール・パーフェクトバリア・発泡ウレタンフォーム・セルロースファイバー・外断熱といったところでした。
このうち断熱性、耐湿性、耐久性、防音性、気密性などから当初は外断熱が良いかと考えていましたが、外断熱のメリットを充分に享受するには高気密にして壁内や室内を機械によって換気しなくてはならないことがわかりましたし、その頃発生した東日本大震災でライフラインが止まった様子を見て「電気や機械に頼らずとも住居として充分に機能してほしい」という気持ちもあり、設備費やメンテナンスに手間のかかる外断熱は候補から外れました。
一方セルロースファイバーは、勉強した本からもいいことだらけという感じはしましたが、コスト面や、壁内に吸収した湿気をどうやって放出するのか、未だに懐疑的ではありました。
しかし、アスカさんのHPと遠藤社長のブログを読んでいくと、不安は徐々に消えていきました。
ダブル断熱に加えて特に構造用合板にダイライトを使用しているということ、その特徴とセルロースファイバーとの相性が抜群であることがわかり、自分の中の断熱・湿気問題を解決することができましたし、何より遠藤社長の熱心で実直な人柄がブログの面々から伝わってきたことが決め手となりました。
その後、約9ヶ月ほどの期間をプランニングに費やし、私たち新居のプランは完成してようやく着工、5ヶ月ほどで家が完成しました。
約1年住んでみましたが、住み心地は快適です。
真冬はさすがにホットカーペットとストーブを使いましたが、一度部屋が暖まるとなかなか冷めにくく、従来の家のように「頭ばかりがポーッとして足が冷える」ということがあまりない気がします。
実家から遊びに来た両親が「この家は暖かいねー!」と驚いていました。
また、マンション住まいの時にカーテンがカビてしまうほど悩まされていた窓や玄関ドアの結露も、寒い朝アルミサッシの一部が結露する程度で気にならなくなりました。
マンションの時は夏、外出から帰ると家の中がムッとするくらい暑くて窓を開けて空気を入れ替えないといられないということや、部屋中の壁が熱くてクロスの壁にもたれかかると壁の熱と自分の汗でじとっとすることもありましたが、この家ではそんなことはありません。
2階ではそれでも1階と比べて暑いですが、実家や以前の住まいと比べて格段に過ごしやすいです。断熱性能が高いのに加えて、きちんとした屋根瓦が乗っているおかげだと思います。
これはコンクリート系やアスファルト系の屋根材では得られない効果だと思うので、妥協しないで良かったです。
夏はエアコンの設定は28℃+扇風機で充分過ごせますし、マンションの頃よりも電気代がかからなくなりました。
無垢の床もとても気持ちがいいです。
私たちの家は妻が節目が苦手ということで、パイン材ではなく少し堅めのカバ桜を使用しましたが、それでも素足の感触はとても心地よく、帰るとすぐに裸足になりたくなります。
私たちの家にも階段などの一部だけ、パインの床材の部分がありますが、さすがにパインは柔らかいので冬も冷たくなく、サラッとした感触がとても気持ちいいです。
カバ桜の床材はパインよりも汚れが染み込みにくく堅いので、いたずら盛りの娘とインコたちを気がねなく部屋で遊ばせることができ、ズボラな私たちにとっては良い選択だったと思っています。
漆喰塗りの壁の効果は、普段の生活では忘れてしまうほどですが、生ゴミ、インコ、トイレの臭いが残りにくく、新築の時も接着剤の臭いがしないのが良かったです。
住んでみて一番良かったと思っていることは、防音効果が高いところです。
入居前心配していたとなりの駐車場の車の出入りも、反対どなりの自治会館に近所の人が集まってガヤガヤしていても、窓さえ閉めていれば全く気にならず、朝の眠りを妨げることはありません。
また、インコたちの鳴き声も外からはあまり聞こえないようです。
これもセルロースファイバーの効果だと思います。
もちろん、自然素材の家のデメリットも感じます。
材料ごとの個体差もありますし、手作りならではの仕上がりのムラ、キズ、床材、巾木、建具等の隙間が気になったりということもあります。
1年住んで固いものをぶつけてあちこちキズになったり、子供の汚れた手で触って跡が残ったりもしました。
アスカさんの家づくりを見てきて改めて思ったことは「やっぱり家は人間がつくるものなんだなぁ」ということです。
“工場で造る”ことを売りにしているハウスメーカーもありますが、画一的で機械によって作られた「工場製品」的な家には決して真似ることのできない温かみ風合いがこの家にはあるし、それが住み心地の良さにつながっているとつくづく思います。
私たちにとっては少しだけ予算オーバーの高い買い物になりましたが、当初の思い描いていた夢の我が家を、我慢したり諦めたりすることなく全て叶えることができました。
これはアスカさんでなければできなかったことだと思います。
遠藤社長をはじめとする社員の皆様、職人の皆様には大変感謝しております。
素敵な家を本当にありがとうございました。
最後に一つだけ、これから家づくりをされる方にアドバイス。
打ち合わせとそれに対する確認、特に図面と仕様書の最終確認は念には念を押してチェックしたほうがいいと思います。
私たちは時間をかけて何度も打ち合わせをした方ですが、それでも「お願いしたことが図面や現場に反映されていない」ことや「思っているのと仕様書が違っている」ことが起こりました。
もちろん快く修正していただけましたが。しっかりチェックして指摘し、認識の相違を解消したほうが、後々のトラブルを避けられると思います。
これからもアスカさんとはメンテナンス、もしかしてリフォーム等…長いお付き合いになると思います。
今後ともよろしくお願い致します。
長文、駄文、失礼致しました。