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熊本地震における建築物被害

STORY

 

こんにちはアスカ工務店遠藤です。

これからの家の耐震性を考えた場合、2016年の4月に発生した熊本地震の被害業況を
見ると参考になる事柄が見えてきます。

(このように書くと地震被害に合われた熊本の特に大きな被害に合われた益城町の被災者の方々
には申し訳ないい方に聞こえますが、今、工務店として家を建てている者としてこれからの
住宅に関する耐震を考えた場合とても大事だと思いますのでこのような書き方になりました。)

熊本地震ネット画像より

ここに国総研(国土交通省の研究機関)から出されているレポートがあります。

熊本地震以来、いろいろな耐震に関するセミナーで参考文献になりましたので知っている方も
多いと思いますが、この中で書かれている事がとても分かりやすく参考になります。

もしご興味がありましたら国総研のホーページより見ることができます。

「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書 概要」

報告書から見る熊本地震の特徴は

1.この地震は内陸の活断層の活動により発生したいうこと、震源地近くでは強い地震が
何回となく発生した。

2.今までは、地震といえば前震と本震という言葉がありましたが、まずは小さめの地震が来て、
しばらくたって大きな地震がくる。最初が前震で後が本震。その後小さな地震が数回続き鎮静していきます。
ただ熊本の地震は震度7クラスの大きな地震が4月14日と4月16日の近いスパンで2回発生しました。
言うなれば本震が2回来ましたし、その後も震度6クラスの地震が数回きています。

3.これらの地震のため特に震源に近い場所では住宅に対して多数でかつ甚大な被害が出ている。

木造住宅の被害状況

1.1981年(昭和56年)に制定された以降の新耐震基準の家に比べて以前の旧耐震基準の木造住宅の被害率が
顕著に大きい。

2.新耐震基準導入以降の家では2000年に制定された柱と土台、柱と桁などの接合部分の
基準の明確化された家は同じ新耐震基準でもそれ以前の家よりも被害が少ない。

1981年(昭和56年)以降の新耐震基準の家でも接合部分が2000年基準を満たしていない
家は倒壊、崩壊率が高かった。

3.たとえ2000年基準の家でも接合部分の施工が不十分の家は倒壊しているのが確認された。

4.耐震等級が3の家は震源地の家の16棟の家の内14棟は無被害、2棟は軽微、小破であった。

被害状況のグラフ化

後、この報告書ではこれから地震にあうであろう木造住宅を下記のようにまとめている。

1.旧耐震住宅においては過去の地震同様、新耐震基準の家に比べて高い倒壊率だった。
その為旧耐震の住宅に関しては一層の耐震化が必要。

2.新耐震基準の木造住宅に関しては、構造材同士の接合部を仕様が明確した2000年基準に比べると
倒壊した住宅が多かったので、2000年基準に適合していないものがあることに留意して
被害の抑制に取り組みが必要。

3.被害が多かった益城町ににおいても耐震等級3の木造住宅は大きな被害が認められなかったので
これからは木造住宅に関して消費者に向けてより高い耐震性能を確保するための選択肢を示す際には
住宅性能表示の活用が必要。

今、これらの内容はどこの住宅会社も取り組んでいる課題だと思います。

そして、これらの取り組みはどうして大事だというと、大地震が起こったことは起こったこととして
現実的なこととしてとらえてその後、どのような生活をしていくかということです。

自分の家が半壊、全壊にならないように家の耐震性に関しては留意して家づくりをしていく必要があります。

以前地震後に行った長野県神城断層地震