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大型太陽光発電システムを採用することは、省エネということとイコールなのか?

STORY

こんにちはアスカ工務店遠藤です。
最初に「大型太陽光発電システムを採用することは、
省エネということとイコールなのか?」と質問したいと思います。


と言うと「大型太陽光発電システムを採用することは省エネと同じことと
決まっているじゃあないですか。」という答えが返ってきそうです。
そうです。私もそう思います。
確かに太陽光は大きくすれば大きくするほど、売電価格が上がり家計は
すごく助かると思います。
それに国は将来家の性能として義務付けたいZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)も
太陽光発電システムやエネファームなどのような、エネルギーを創る設備を付けることは必須に
なっています。

国でめざす「新築住宅の平均でZEHの実現」とは、2030年までに日本で
建てられる新築住宅全体でエネルギー消費量「プラスマイナスゼロ」ということです。
確かに「省エネ」という言葉から考えてみると省エネとは生活の中で
使う電気やガス、石油などの消費エネルギーを抑えることです。
じゃあ、こう考えたら屁理屈ですか?
エネルギー消費を抑えるのであれば冬、部屋が寒くてもエアコンなどを
使わないで布団の中で寒さをじっと我慢していれば?
それが今時常識ハズレなら断熱性能があまり高くない部屋でガンガンのエアコンを
回しながらその電気を太陽光発電などの創エネでまかなうとしたら。
布団でガマンは今時の日本では常識ハズレかもしれませんが、
でも断熱性能があまり高くない家では電気代などの一部の消費エネルギーを
太陽光発電システムで賄っています。
電気代だけで見れば「ガマンの家」も「なんちゃって断熱エアコンガンガン太陽光発電
カバーの家」も「高性能断熱の家」と同様消費エネルギーは低く押えられていると思います。

じゃあ何が違うのか?
「ガマンの家」は論外として「高性能断熱の家」は家本体の断熱性能が高い家なので
この家が存在する間、性能が落ちることなく断熱効果を期待できますが
「なんちゃって断熱エアコンガンガン太陽光発電カバーの家」はこの家ある間
ずっと「太陽光発電」に省エネを頼るようになります。
要はメカメカの家

「太陽光発電システム」は家電品と同じで耐用年数があります。
一般的に太陽光発電の耐用年数は20年と言われていますが(それに
合わせるように各太陽光発電メーカーの性能保証も20年が多いです。)
それを制御するパワーコンディショナーの耐用年数は10年と言われています。
将来パワーコンディショナーが壊れてしまえばその修理費(だいたい15万円から
20万円かかります。)や交換費がかかりますし
太陽光発電システムも所詮機械なので、いつかは壊れて交換や修理に
大きな投資が必要になるかもしれません。
そして要は家電品なので劣化により性能もだんだん落ていき
本来の売電効果も薄れてくるでしょう。

そして今、国の太陽光発電システムによる電気の買取価格は年々減ってますし、
それより将来日本の法律が変わり電気の買い取りを終了するかもしれません。
そうなってしまったら省エネどころか売電価格を当てにした
ライフプランは成り立たなくなります。

ただ、私としては太陽光発電システムの採用に消極的になりなさいという考えはありません。
推奨したいのはまずは家本体の断熱性能を確実に上げておくという事。
(家の断熱性能は一度工事して上げてしまえばこの家が存在する限り性能は変わりません。)

そして太陽光発電システムは大型のシステム導入で売電価格で家計を補うという考えから
自分たちの使う電気の量を効率的に発電し、その分で自分たちで使う電気を賄うと
いう考えで採用を検討したほうがいいと思います。
(要は国の余剰電力買取制度をあてにしない。)
今はまだ高額な蓄電システムが採算が合うまで安く導入出来るようになったら採用して
太陽光発電システムで発電した電気を蓄電できれば来るべき大型災害に備えることもできます。